『2010年宇宙の旅』アーサー・C・クラーク

考えることは皆同じだと思うが、2010年になったと言うことで今年の一発目に読んだ。読み終えた直後くらいに新装版が出ていることを知った。商売商売っちね。
ハヤカワの最近の文庫本は、何故か旧来よりちょっとだけ背が高いので、本棚に並べるとなんかもやもやします。しませんか。

あらすじ
前作で木星に置き去りとなったディスカバリー号、そして謎の直方体モノリスの調査のため、新たなる調査隊が木星に向けて飛び立つ。新宇宙船レオーノフ号の乗員たちが、ディスカバリー号人工知能HAL、モノリス、そしてスターチャイルドとなったディスカバリー号船長デイビット・ボーマンと再会したとき、太陽系に新たな歴史が刻まれる。

感想
文章、展開そのものは物凄くシャープでかっちょいいんだけど、それを彩る主人公ヘイウッド・フロイドを始めとする乗員たちの話や、衛星エウロパの描写が大変ウェットで詩的で美しい。この硬軟の使い分けが本当魅力的なのがアーサーCクラークの小説だと思っていて、これを読んで血流が早まらない男の子はいないと思うんだがどうだろう。
以下お気に入りのシーン

  • 木星再突入中、ジェーニャがフロイドの懐に飛び込んでくるシーン。
  • エウロパの、チェン号乗員チャン教授の最期。
  • モノリス大変形から木星の一連の顛末まで。
  • ボーマンの母親との再会シーン。
  • ボーマン、エウロパに突入。

読んでて無性に癒される小説だった。『2061年宇宙の旅』は購入済み。年末年始の恒例のお楽しみにしてしまおうかと考えている。