『鉄鼠の檻』京極夏彦

京極堂シリーズ4冊目。
自分の中ではビジュアルが映画版で統一されていて、中禅寺秋彦堤真一だし榎木津は阿部寛だし関口夫人は篠原涼子で脳内再生されている。なので今回は、田中麗奈(中禅寺敦子)に萌えてればいいジャン、と言う感じのお話だった。
しかし話が進むに連れて話に没頭し始めると、映画版のビジュアルがだんだんと薄れていくのが不思議なところで、京極夏彦の雰囲気作りの上手さなのかと思ったりしている。

内容は過去三作のドッキリ感が薄く、ただただ「京極堂禅宗講座」な様相。ためにはなるが、ミステリとしてどうかと言われると正直「?」だった。読む前に友人に「今作は登場人物が軒並み坊さんで、作中似たような僧名ばかりが並ぶので誰が誰だか判らなくなる」と言うアレなアドバイスを受けたことが一番印象深かったかもしれない。
次回作は『絡新婦の理』。何故か親の実家に置いてあったものを以前拝借していて、長いこと本棚にストックしてあったもの。ある意味これを片付けるために今までのシリーズを読んでいたようなところもあるため、英気を養って挑んでいきたいと思う。

鉄鼠の檻 (講談社ノベルス)

鉄鼠の檻 (講談社ノベルス)