ドラマ金田一耕介シリーズ『悪魔の手毬唄』原作:横溝正史

結局見ました。ゆるくネタバレを含みつつ羅列で。

  • 全体的に悪くなかったです。けどあまりの画の安っぽさに「今のテレビ局は本当にお金が無いんだなあ」と痛感してしまった。映画作品と比較するのは酷かもしれないけど、青年団の人数の少なさとゆかり御殿のハリボテっぷりは異常。
    • テレビが赤字なのは知ったことじゃないが、そうなると真っ先に自分が好きそうな分野に掛かる予算とかが削られることになりそうなのが困る。他人事じゃあないんだ。アニメのことですけど。
      • とりあえずCMが多すぎるのは本気で見る気を削ぐので、なんとかしてもらいたいもんだ。
  • 何とか尺に収めつつ、ちゃんと話が判りやすく通じるように構成しなおす仕事は、なんと言うか、とても楽しそうだなと思う。メディア公認の1.5次創作みたいな感覚なんじゃなかろうか。
    • ロケの工程やらセットの配置・予算とかも含めて考えるとただ楽しいだけじゃないだろうけど。頭の中でこねくり回してる時点では、とても羨ましい仕事だ。
  • 平岡祐太は好青年だが、ココリコの遠藤と田中を足して2で割ったような顔をしている。鼻筋が田中。目が遠藤。全体的なシルエットが田中。一緒に見ていたうちの妹が「ひとりココリコ」と名づけていた。
  • 柴本幸が可愛かった。風林火山の時は一度もそんなこと思わなかったけど。
  • 金田一と警部が自転車乗り回しながらキャッキャウフフしていたのは原作に忠実でよかったと思います。しかも尺が長かった。

公式サイト


以下はネタバレ。

  • とりあえず視聴前に公式サイトを確認したところ、谷原章介がインタビューで爽やかにネタバレをしていて戦慄した。恐ろしい子・・・!
  • 幽霊となって佇む谷原章介は、なんとなく様になっていると言うか、彼は何もせずにその場に突っ立って看板みたいになっている役が似合う人だと思う。どんな人だ。
    • 嫌われ松子の一生のときもそんな感じだった。画面の後ろの方でで歯をキラッとさせてるだけの人。
  • 最後は完全にかたせ梨乃の一人勝ちだったなー。真相語りの際の極妻っぷりだけで、見てよかったと思ったもの。予算の少なさは役者の演技力でカバーする!
    • 原作だと犯人が死んでから金田一が解説するパターンだったから、その辺の仕事をかたせ梨乃に振って時間短縮と見せ場作りを図る。いい仕事だ。でも多分、過去に映像化した悪魔の手毬唄は皆このパターンなんだろうなあ。

原作読んで、すぐ映像で復習して原作の違和感に気づいたのでメモ。結局、手毬唄の登場が遅すぎるんだよなあ。既に連続殺人も終わりかけのころにようやく語られるんだから、そりゃ金田一も事件の防ぎようが無い。最初の方に出たらすぐ解決しちゃうからバランスの問題なんだろうけど、なんかやきもきする。
あと、手毬唄自体ご都合過ぎて、まず手毬唄ありきじゃなくて、見立て殺人のために作られた手毬唄に見えちゃってあざとさを覚えるとか。あれだけ絶妙の構成の話なんだから、贅沢すぎる発言だとは思うんだけど。


文句も言ったけど、基本的には楽しい時間を過ごさせてもらいました。この前の『柳生一族の陰謀』と言い、やはりたまにみる気合の入ったテレビ番組は最高だな!