『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序』

度肝を抜かれた、と言うのが正直なところ。第三新東京市が、綾波が、ラミエルが、ポジトロンライフルが迫ってくる!


自分が初めてエヴァを見たのは、大体シンジ君たちと同い年の頃だった。シンジ君の内向性やらその他様々なこちらの神経を逆なでする要素に苛つきながらも、それでも他のたくさんの人々と同様に、どハマりきっていた覚えがある。


中学時代にエヴァにぞっこんだった自分は、高校に入ってからスパロボに出会う。で、快活で格好いいマジンガーZとかあの辺のスーパーロボットが大好きになって、その反動でエヴァ嫌いの道に進んでいくのであった。中学時代の自分が嫌いだから中学時代にハマってたエヴァが嫌いと言うのもあった気がするが、まあ、それはまた別の中二病高二病の話。


で、今回の劇場版を見て、「エヴァが好き」にまた辿り着いたと言うか、舞い戻ってきたと言うか。
結局、自分の好みを支えているのはオタクの安いプライドでしかないので、ちょっと目先を変えてやればあっさりと手のひらを返す。「好きになれるかもしれない」と一瞬でも思えば、それまで毛嫌い食わず嫌いしていたものでも簡単に受け入れられる自分の性質は理解しているつもりだ。今回、ついでに宇多田ヒカルも好きになれそうな気がしている。
もちろん趣味が変わって、「鬱屈した青少年大好き」スキルと「中二病愛してる」スキルを会得したことも大きいのだが、それはまた別の性癖の話。


内容に関しては、一応テレビ版と同じ展開なので特に言うことは無いのだが、同じに見えて実は大きく違う雰囲気もかもし出していて今後が怖い。
とりあえず今回一番の収穫は、「立ち向かう」と言う動詞の格好良さに気付いたことだろうか。「立って、向かう」んだもんなあ。雄々しすぎる。
シャムシエルに泣きながら立ち向かうシンジ君』&『ラミエルの光線にやっぱり泣いて悲鳴を上げながら立ち向かうシンジ君』の格好良さは、ここ数年のロボットアニメの中でトップ独走間違い無しではなかろうか。キングゲイナーエウレカセブングレンラガンも新ゲッターもトップを狙え2も白昼の残月も見てないけど。


まあ、これを見せられて、次回『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:破』に期待しないオタクは多分一人もいないだろう。それだけの素敵時間を過ごさせてくれた庵野監督*1にやっぱり感謝。やっぱり天才。

*1:庵野監督も最近改めて好きになった。島本先生の漫画が原因である