ベクシル -2077 日本鎖国-
近未来、ハイテクを駆使して物理的な鎖国を行なった日本に、10年ぶりに外国人が侵入するんだぜ、という大層頭の悪そうな設定の映画。
完璧だった。
まったく揺ぎ無く、てらいも無く、容赦も無い中二病映画。この映画を絶賛する人も、馬鹿にする人も同じくらい頭が悪いような気がする。私は絶賛する側にまわる。
全編CGで描かれた近未来は現実味は全く無いが、この映画が実写で描かれていたなら多分自分の中で評価は悪くなっていたろうと思う。求めたのはリアリティではなく臨場感と場の空気だったのかもしれない。
アクションに関してはとてもわかりやすくて申し分ない。CGの見せ方が上手で、さすがピンポンの映像を作った人なだけのことはある。ただの戦闘シーンだけじゃなく、スピード感のあるチェイスシーンや巨大生物との闘いなど種類も豊富だし。
とりあえずストーリー、展開、台詞群は本当に頭が(いい意味で)悪くて、鑑賞しながら笑いが止まらなくて困った。見終わった後に一緒に見た友人と台詞を言い合うだけで笑えたので、是非2ちゃんねるで「ベクシルのガイドライン」とか立てばいいなあと思った。
- 「日本へようこそ!君たちがこの10年で初めての外国人旅行者だ!」
- 「あなたたち、それでも人間なの!?」
- 「隊長!ホットラインが繋がっています」「もう国防長官に伝わったか・・・」「いえ・・・大統領です!」「なっ!?」
- 「はい、大統領・・・!わかりました」
- 「これが人間の進化だ!」
- 「狂ってる・・・!」
- 「この鉄くずめーっ!」
抜き出してもそんなに面白くない。あの独特の雰囲気で発せられた台詞だからこそ笑えたんだろうなあ。ライブ感が大事。
見る前は全くのノーマークだったので、ここまで楽しめるとは全く期待していなかった。是非、曽利監督には次回作もこのノリでお願いしたい所だ。