『仮面ライダー555 DVD2巻』

あらすじ
SMARTBRAINに保護された木場と結花は、オルフェノクの先達である戸田と引き合わされる。
二人の教育係となった戸田は、オルフェノクとは人類が新たに進化した存在であること、人間を殺すことでオルフェノクへと覚醒させることが出来る力があることを示す。
偶然その場に居合わせたため、戸田の力でオルフェノクとなった青年・海堂と、彼を保護した木場と結花。三人は、それぞれの思惑を胸に、オルフェノクとなった自分自身と、どう向き合っていくかを迫られることになる。
一方、東京に辿り着いた巧、真理、啓太郎の三人は、一旦啓太郎の実家に下宿しながら、それぞれの目的のために動き出す。
真理は美容師の夢を叶えるため練習に明け暮れ、啓太郎もクリーニング屋を営みながら、本人の理想の下に行動する。そんな二人を見て、胸の燻りを覚える巧。彼は自分の得た仮面ライダーとしての力で、二人を始めとする「夢に向かって努力する人々」を守ることに意義を見出すのだった。


感想

  • ライダー側とオルフェノク側の対比が上手い
    • 海堂も出てきて、いよいよ両陣営出揃う。うっすらと各人の邂逅もあるんだけど、割とそこは淡白。ほとんど会話も無い。けど、リンクの仕方が小憎い。
      • 結花が「もう人間じゃない」と聞かされて、啓太郎からのメールを返せなくなる辺りの展開はプロの仕事だと思う。
      • 夢に向かって猛進するライダー側と、既に夢破れて山河あるオルフェノク側とか。同じテーマで、正負となったそれぞれのチームを、それぞれに動かす。毎週30分で出来る内容じゃない気がするなあ。今のところ離れ業だなあ。
    • で、8話で両陣営の骨子が固まる。
      • 「夢の守り手」仮面ライダーファイズと、「夢から来た処刑人」ホースオルフェノク。ダークヒーローっスか、木場さん。やべー超かっけー。
      • 8話掛けて、ようやく両者のスタンスが決まる。長いと見るか、丁寧と見るか。
  • 夢と仮面ライダーオルフェノク
    • 本作のテーマは、どうやらこれらしい。
    • 巧も木場も基本的に善人なので、単純に目の前で人が襲われてたら変身して助けてしまう。それは恐らく、彼らにとって当然のことなんだけど、人は理由を持たずにただ行動し続けるということが出来ないものらしい。そんなことが出来るのは、狂人か啓太郎だけであり、そして啓太郎は狂人です。
    • 同じ行動をし続けるだけでも、人には「魔が差す」と言うことが起こる。唐突に、「何故俺は、こんなことをしているのか?」とか「どうして僕が、こんな力を持つ羽目に?」などの疑問に襲われると、途端にそれまで出来ていた行動が出来なくなってしまう。巧や木場が作中で戦えなくなったわけではないけど、明らかにストレスや迷い、または「やらされてる感」を漂わせていた。
    • そこで必要となるのが、行動を裏付ける「確固たる思想」だ。「自分は、こういう信念に元に戦うのだ」という信仰。グレゴリオ・ツェペリの言葉を借りると、「男には地図が必要だ。荒野を渡りきるための心の地図が」と言うやつ。ジャイロ・ツェペリ風なら「納得はすべてに優先するぜ!」
    • それが今回の場合、「夢」だよ、と。「夢は素晴らしい。夢を持っている人を尊敬する。だから守る!」あるいは、「夢の価値は重い。そんな夢を踏みにじる奴の罪も重い。だから処刑する!」という。
    • この思想にたどり着いた時に巧と木場は、ただ唐突に与えられた力で戦っていただけの匹夫の剣から、意志のもとに戦うヒーロー&ダークヒーローにランクアップしたんだろう。8話の二人それぞれの決意表明シーンは、名台詞と相まって正直燃えた。
      • まあ、直後のファイズの対戦相手は夢とか関係無しにファイズドライバー狙ってただけだけどな!
  • 総括
    • ファイズとホースオルフェノクのヒーロー覚醒は素直に良かった。
    • でも、一巻みたいな壮絶な馬鹿が出なかったのは残念だったなあ。
    • と思っていたら、予告でいよいよ社長登場。これは期待するしかない。

仮面ライダー555 VOL.2 [DVD]

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