『仮面ライダー555 DVD1巻』

人に薦められたので見始める。シンケンジャーも見ないと。

あらすじ
木場勇治は愛する両親・恋人と何不自由ない暮らしを送る、ごく普通の平凡な青年だったが、交通事故に巻き込まれたことでその人生が一変。両親は即死し、木場自身も昏睡状態となった。
意識を取り戻した時には2年の歳月が過ぎており、その間に家も、財産も、恋人も、全て失われてしまっていた。深い怒りと絶望から謎の怪物オルフェノクに変身した木場は、自分を裏切った親戚と恋人に復讐を果たす。
突然得た力に戸惑いながらも、謎の会社SMARTBRAINに保護された木場は、同様の境遇を経た少女・長田結花と共に、人外の生き方を歩むことになる。
一方、全国を旅しながら自分の夢を探すフリーター・乾巧は、旅の途中に出会った少女・園田真理と、彼女のもとに送られてきた謎のベルトを巡る騒動に巻き込まれる。
ベルトを狙うオルフェノクたちの襲撃を受け、成り行き上それらと戦うことになった巧は、ベルトの力で仮面ライダーファイズへの変身を遂げる。
真理と、彼女を守る羽目になった巧、そして同じくベルト騒動に巻き込まれた青年・菊池啓太郎の三人は、ベルトの謎を突き止めるべく、一路東京を目指すのであった。


感想

    • 展開に無駄が無くて面白い。(後の)敵である木場たちの場面と、主人公の巧たちの場面が交互に挿入されるというスタンスがなかなか素敵。
      • 時間的には同じくらいずつ展開されるけど、場面への力の入れ具合は明らかにオルフェノク側の方が比重が濃いというか、怨念がこもっている。魔界転生の初期パート並の情熱で、人が怪物になってゆく。
  • 木場と結花が酷いと言う話
    • 実に重い。不幸な事故で親は死ぬわ、恋人は去っていくわ、家は無くすわ。「俺は何も悪くないのにー!」とメソメソ泣きながら夜の街を走り抜ける木場君の勇姿を見て、こんなのが日曜朝8時から展開されていたのであることよなあ、と玄妙な気分になる。
    • 結花は更に酷い。家族からは総スカンを食らい、学校では総イジメを食らった上に過労死、という。境遇的には木場とどっこいだけど、絵面が酷い。やはり朝8時から見せられたい動画ではない。
    • そんな二人が圧倒的な怪物パワーを得て暴れまわる姿は明らかに格好良く、まあ笑うところなんだろうけど、余りに悲惨だし明らかにこれから先も坂を転げ落ちるように悲惨な道を行くことになるだろうから今から泣く準備は出来ている。
    • そんな絶望カップルの前にノリノリのスマート・レディが!
    • 一緒に見ていた妹曰く、「初音ミクみたい」。なるほど。
    • SMARTBRAINは謎会社だなー。鴻上ファウンデーションよりは地に足が付いてる気がするが。あそこは宇梶一人で成り立っているような会社だが、こっちは全容が見えない分、秘密結社度が高いぜ。
  • 扱いが小粒な仮面ライダー
    • 真理と啓太郎があまりにうざいので、巧には同情を禁じ得ない。いい人すぎるぞ巧。
    • 真理はまだギリギリただの自己中な少女で通るが、啓太郎はもはや狂人のレベルですよ。「皆が幸せになれますように」って言いながら人のベルトは盗むわ、会社の車ぶっ壊してそのまま高飛びするわ。本人は全く疑問を感じてないところが凄まじい。
    • 「僕、『汚いものアレルギー』なんだ。汚いものが近くにあると、くしゃみが出る。…汚い心の人とかね」とか言いながら巧の方を見てくしゃみをする啓太郎。巧の血管が切れる音がする。
  • 敵が面白い
    • ベルトを狙って巧たちを襲う雑魚オルフェノクたちが、ことごとく俺を笑わせに来る。
      • 二話。特に理由は無いが胸元をはだけて乳首を見せるエレファントオルフェノク。
      • 三話。通りすがりに目の前で停車されたバイクを超スムーズに盗むオックスオルフェノク。妹曰く「しゃなりと芸術的に盗みやがった」
      • 四話。エネオスでガソリン入れて、お金を請求されたので「柿右衛門が支払ったのは鉄扇であった」的速度で店員の心臓を潰すカクタスオルフェノクと、そんなカクタスを画面外から鉄拳制裁するマンティスオルフェノク
    • 明らかにシリアスな笑いですよ。本人たちは大真面目に格好つけてるつもりだけど、こっちから見たら「ヒャッハー!」っつって暴れまわるモヒカンにしか見えないという。特に4話のオルフェノク漫才は神の域だと思った。ガソリン入れる→「◯◯円になりまーす」→殺す→ニヤリと笑ってたら横からビンタ。超鮮やかな流れの全てがおかしい。後半そのことを根に持っててマンティスをぶち殺すカクタスまで含めて、妹と二人で大笑いしてた。
  • 仮面ライダーなど
    • やっぱりファイズは格好いいわけですよ。ビジュアル的に。あの中折れ携帯銃にはさすがに時代を感じるが、身体を走る光の赤ラインは、やはり良い。「コンプリート!」「イクシードチャージ!」の合いの手もイケメンだ。
      • でも発表された当時は「変なの」と思っていた。今となっては真っ当に格好いい部類なんだけど、クウガやアギトと比較すると、ファイズは異形に分類されるデザインだった。なんせ当時はまだ、ブレイドも、電王も、ディケイドもいなかったのだ。直前は龍騎だったけど。
    • 思っていたよりチンピラ気味アクション。「ベキ!バコ!ボキ!」と小気味良い鈍い音で敵をぶん殴り続けるファイズさん格好いい。見た目に反してオルフェノク共はヒットポイントが低いようなので、余計に圧倒的なパワーを感じる。
  • 総括
    • 記憶していたより遥かにシンプルかつディープで丁寧な作り。普通に楽しんでみれそう。でもあまりに暗いので、朝8時で見るのは嫌だなあ。当時、途中で見るのをやめた自分の気持はよく分かる。
    • この先、業を積み上げ続けていく木場たちと、ライダーとして戦い続ける巧の邂逅が恐らく最初の見せ場だろうし、そこは楽しみにしていきたい。
    • あと、雑魚オルフェノクどものファンキーな傍若無人アクションにも期待していこう。あいつら面白すぎる。

仮面ライダー555 VOL.1 [DVD]

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