『エンバーミング1、2巻』和月伸宏
連載を追いかけていて、エグゾスケルトンの下りあたりで「この漫画は買おう」と決めていたけど、ようやく購入。
ちょうど1冊につき話が一本、綺麗に収まる形式になっていて読みやすかった。中身は相変わらずゴチャゴチャしてる作風だけど。
で、面白い。
- 1巻。
- ヒューリー&レイスのプロローグ。連載中も、1話2話あたりを読んだときは正直「うーん」な感想だったんだけど、単行本で読んでも印象はあまり変わらない。誰も幸せになれない感は素敵ですけど。
- ヒューリーの背景はほぼ全て出ているけど、キャラの掘り下げはエグゾスケルトンまで待ちだからかな。この時点では地味な主人公だ。実は既に死んでいたってのは、連載中は気づいていなかった気がするな。
- レイスは、まあ、ディオ・ブランドーだよなあ。ディオが吸血鬼じゃなくてフランケンシュタインになっちゃったっていう。ライナーノーツでは特に何も言ってないけど、絶対影響は受けてるよなあ。ディオと違って、自分自身じゃなくて他人とのつながりに執着しているから野望は小さいけど、狂人度はなかなか。
- 今後ヒューリーの結末はBAD END以外にはないと思うんだけど、話の中でいかに復讐以外のことに目覚められるかに期待したい。その上で復讐のために死んでしまうことになっても、きっと幸せな最期になるんじゃないだろうか的な。結果よりも過程が大事だって荒木先生も言ってた。
- 2巻。
- エルム&アシュヒト編。
- エルムはいいキャラなんだけど、この子が絡むと話がBAD方向に終着出来なくなっちゃうんじゃないだろうかという気がする。その分アシュヒトがダーク方面を引き受けるんだろうけど、彼はエルム有りきのキャラだしね。
- グレトナ=グリーン編は単純だけどいい話ですな。特にアザレアが魅力的に描かれすぎている。これがあれか。炎尾燃と富士鷹ジュビロの喧嘩の元になった、「漫画家がキャラに恋をしている」状態か。
- 基本エルムは多分ずっとあのままなのだろうから、この漫画を回すのはヒューリーとアシュヒトの成長なんだろう。ジョン・ドゥは承太郎と一緒で、既にほぼ完成されたキャラな気がするし。アシュヒトが今後どうなっていくかに期待だな。
面白い、のだけど、それよりもこの漫画が自分に多幸感を与えてくれるのは、多分和月先生の人柄に触れるからなんだろうと思う。漫画を愛しすぎていると言うか。愛しすぎていることをあからさまに伝えすぎているところが、先生の好感度をグイグイ上げてくれる。稀有な人だ。
3巻はなんだっけ。ジャックザリパー編か。あの辺も好きだし、なるべく早めに買おう。
エンバーミング―THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN― 1 (ジャンプコミックス)
- 作者: 和月伸宏
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/09/04
- メディア: コミック
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エンバーミング―THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN― 2 (ジャンプコミックス)
- 作者: 和月伸宏
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/07/03
- メディア: コミック
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