2008年39号

四大少年誌(ジャンプ、チャンピオン、サンデー、マガジン)の中から、今週特に印象に残った8〜10本の感想を書くコーナー。
そろそろこの感想書くのも習慣になってきた。時々、毎週三冊買っちまおうかなという誘惑に襲われる。


金剛番長

  • あらすじ:インターミッションで相談する金剛猛と金剛父。そして動き出す文京区の番長。
  • タクシーから頭を出す兄貴と、国会議事堂から頭を出す親父の見開き。なんだこれ。
    • 「どうやってタクシーに乗ったんだ」とか「どうやって議事堂に入ったんだ」とか突っ込んでも、きっと「ちいせえことは気にするな」の一言で片付けられてしまうんだなあ。
  • でも今回一番笑ったのは、福茶総理が部下に金剛父を紹介するときの「この方は日本経済を裏から牛耳る巨大組織の総帥なのだ」みたいな固有名詞が一切無い説明。なんだその抽象概念過ぎる紹介。
  • そして現れた文京区の強番長。あきらかにロボ番長かサイボーグ番長ですよねこれ。始動とか言ってるし。

ぬらりひょんの孫

  • あらすじ:四国のかまいたちっぽいのに襲われた開花院ゆらと総大将だが、本気出したゆらの前には雑魚に等しかったのでゆらが勝った。
  • 初登場時から今まで、一度としてまともな活躍が出来たことがなかった天才陰陽師ゆらが面目躍如した回。多分作者の人も、「違う!この子はもっと出来る子なのに・・・」みたいな思いを抱き続けていたんじゃないかなあとか妄想してしまった。
  • しかも、不自然に突然強くなるんじゃなくて、「今までは周りに守らなきゃならないものがいたので、詰めをしくじっていた」→「足手まといが居ない、やっと本気が出せる」というスマートな展開。その上で彼女の実力を、「一人なら妖怪退治ぜんぜん楽勝。でも、他にやらないといけないことがあるとちょっと厳しい」という適度なレベル(天才だけどまだ未熟)に位置づけることも出来ている。これは上手いなあ。
  • でもあの鯉キャノンと「ゆらMAX」のセンスはどうだろう。やはり彼女の萌えポイントはダサくて垢抜けないことなのか。
  • あと、総大将は「自分が何かしなくてもいつだって周りがなんとかしてくれる」という能力を持った強妖怪ということでよろしいですか。

ワンピース

  • あらすじ:なんとか量産型くまを退治した麦わら一行だったが、続けて現れた次のくまと戦桃丸と黄猿にすわおしまいかと思ったところでレイリーが助けに来てくれた。
  • 「レイリーさんは多分覇気を自在に操る『ハキハキの実』の能力者で、足を覇気でコーティングしていたから黄猿に蹴りを当てることが出来たんだ」説。
  • 戦桃丸の「俺は能力者じゃねえぞ」発言は、「鍛え抜かれた生身の肉体」という意味じゃなくて「ベガパンクになんか改造されてる」ということだと思いたい。スモーカーの持ってた十手(能力者を封じる奴)みたいな成分を含んだ体とか。
    • しかし、名前をうっかり言った時の彼の言い訳は、ジャガーさんに出てくる駄目人間みたいだった。好感が湧いて良いのか悪いのか。

ハヤテのごとく!

  • あらすじ:ハヤテがヤンデレに付き纏われそうになったので、なんとかするためにマリアとデートすることにした。
  • 冒頭の病んだ手紙を、ラストのオチでとっとと切って捨てる畑先生の軸のブレて無さ加減に感動した。
  • 要は今回のエピソードは「ハヤテと初デートするマリアさん」を描きたかったわけで、しかしマリアさんにしろハヤテにしろ、二人でイチャイチャするにはどうしてもナギへの遠慮がある。そこで、ナギからの太鼓判を貰って堂々とイチャイチャするためにはどうすればいいか、と言うのを考え抜いた結果が、冒頭のヤンデレからの手紙であるというわけで。なので実際デートが始まって、用済みとなった手紙のオチはさっさと処理してしまう、という。なんて合理的な展開なんだ。
  • 「あー、初めての相手はハヤテ君かー」と、どこか他人事みたいに考えているマリアさんがいい。思い出したように顔を赤らめるとかじゃないところが。「ちょっと感情が追いついてないなー、現実味無いなー」感が実にいい。

ストライプブルー

  • あらすじ:強豪相手に勝利を収め、喜びのあまり花に抱きついたところを海主将に見咎められるアー坊。説教された上に流れで海が花に交際を申し込んだりして、アー坊の心が揺れまくる。
  • 直前の「三塁回れ」と言い今回と言い海主将は、穿った見方で邪推すると物凄い極悪人に見えてしまうので困る。ちゃんと海サイドのエピソードを描いているから彼がそんな男では無いことは判るんだけど。アー坊が今後主将のことを誤解しないかが心配だ。
  • しかし、野球漫画でここまでグダグダの三角関係(四角?)が見られるとは。ちょっとこの心理描写のノリで描かれたクロスゲームとかが見たくなってしまう。

魔人探偵脳髪ネウロ

  • あらすじ:下僕となったジェニュインから情報を引き出すネウロ。一方血族サイドでは、ついに調教完了したXIが動き出した。
  • ジェニュインがこのままネウロ側の面白キャラで収まるのはなんか納得がいかないなあ。別にネウロは正義じゃないが、やっぱり悪は悪として裁いてこその少年誌じゃなかろうか。
    • 実はジェニュインはそれほど悪いことしてない、のかも知れないが。
  • XI=「イレブン」は、なんとなく予想していた。ただ、「俺は貴様をはるかに上回るイレブンだー!死ねシックスー!」みたいな肉理論に基づくパワーアップ(とんち合戦とも言う)でXIが逆襲するんじゃないかと考えていたので、シックス自ら命名するとは思わなかったけど。

範馬刃牙

  • あらすじ:過去の強敵たちとの戦いを振り返りながら襲い掛かるピクルに、ついに克己の真マッハ突きが炸裂する。
  • 真マッハ突きのエフェクトが明らかに空手じゃなくて聖闘士。VS郭海皇の時の勇次郎もこんな光の矢みたいなパンチ出してた気がするが。
    • そんな中で郭海皇の「心臓止めたい」発言は趣き深い。つまり真マッハ突きは勇次郎の力んだパンチに匹敵する威力を持っているということで、作中でも最高水準の攻撃力を克己は得ていることになる。

悪徒-ACT-

  • あらすじ:屠塚学園に、更正省からの刺客・濱クリスが転校してきた。
  • パブリック!プリンシプル!ゼントルマン!以上ex-ATCs三原則。物凄いチャンピオンスメルを発するこの見開きは間違いなくAAとなり、ゆくゆくはここに掲載されると思われる。ところで三原則ってこういうのに使う単語だっけな。

オニデレ

  • あらすじ:ピクニック。
  • 生徒会長の「リュックと間違えてゴルフバックを持ってきた」→「なので今日はゴルフしに来たんだと思うことにした」という一流のライフハックに、ポジティブ強者の凄みを見た。