『3月のライオン2巻』羽海野チカ
うがー。面白い。面白くて胃がへこみそうになる。
ハチワンダイバーといい、これといい、21世紀に入って将棋漫画はどうしてこんなにもエキサイティングになったのか。なんてことを考えたけど20世紀には月下の棋士があった。
あらすじ
この命溢れる将棋会において獅子に生まれた天才高校生棋士・桐山零君は持ち前のナイーブさ&生い立ちから来るトラウマにより、将棋を続ける意義をブレさせかけていた。
懇意にしてくれる川本家の人々と(自称)親友の二階堂のおかげでなんとかモチベーションを立て直しかけた桐山君であったが、そんな彼の前に現れた義姉・香子は、将棋を続けさせた状態で繰り出す側面からの精神攻撃により再び桐山君を針のむしろに叩き落すのであった。
感想
この2巻は前半部が川本三姉妹やその友達、そして二階堂とのほのぼのふれあいパート、後半が香子登場によるデスマーチパートと見事に真っ二つに分かれており、個人的には「ハチミツとクローバーフィールド」と名づけたい傑作であった。上手いこと言ったつもりでググったら「 ハチミツとクローバーフィールド の検索結果 約 58,600 件中 1 - 10 件目 (0.18 秒) 」だったのでちょっとショック。
しかし実際、桐山君が不器用に少しずつ築きかけている何かを、理不尽に破壊しつくそうとする香子さんはとても怪獣っぽかった。超怖い。そして美しい。17話でバスタブの縁に座るケツがエロい。彼女が登場する回のヤングアニマルは嬉々として購入していきたい。
本巻ラストで己の中の本性を吐露した桐山君が今後どうなっていくのか。そして、いつか必ずや訪れるであろう川本三姉妹と香子の出会い、と言うか対決あたりに注目しながら、今後の動静を見守って生きたい。
思わず尻込みしてしまうほどの眩しい平穏(川本三姉妹)と、誘惑の声を聞かずにはいられない甘い地獄(香子)の対決って、桐山君の生きる世界にとってはちょっとした宗教戦争だよなあ。みなぎってきた。
- 作者: 羽海野チカ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2008/11/28
- メディア: コミック
- 購入: 13人 クリック: 80回
- この商品を含むブログ (634件) を見る
クローバーフィールド/HAKAISHA スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
- 発売日: 2008/09/05
- メディア: DVD
- 購入: 7人 クリック: 67回
- この商品を含むブログ (194件) を見る